猫のかかとの床ずれ|受診の目安と寝床・姿勢の見直し

柔らかなクリーム色のクッションで前足を伸ばして休む灰白の猫。猫のかかとの床ずれが心配なときの受診と寝床の見直しを紹介するアイキャッチ。

かかとに治らない傷があるときや、体の様子がいつもと違うと感じたときは、動物病院に相談してください。

年のせいと決めつけず、猫が自力で動けるかも伝えてください。床ずれは、同じ場所に長い時間圧がかかると起こる傷で、麻痺した動物や動けない動物に多いとされています。

予防策として、次の4つの組み合わせが挙げられています。体の向きを頻繁に変える、猫の体と寝床まわりを清潔に保つ、十分な栄養を与える、柔らかい寝床を用意する、の4つです。

床ずれの仕組みと予防策は、獣医療の資料であるメルク獣医マニュアル(Merck Veterinary Manual)の、犬や猫を含む動物全般についての説明にもとづいています。

猫のかかとに限った見分け方や手当てを示したものではありません。かかとの皮膚に気になる変化があっても、見た目だけで床ずれと決めず、動物病院で診てもらってください。

本記事は医学的助言ではありません。獣医師団体や大学などの情報をもとに、獣医師ではない飼い主がまとめています。診断や治療の判断はかかりつけの獣医師に相談してください。

目次

受診を相談する目安

傷が治らないときは、動物病院に相談してください。高齢の猫では、治らない傷は受診を考えたほうがよいサインの一つとされています。

床ずれの手当ては傷の程度によって変わり、程度は診察を受けてから決まります。軽いか重いかを見た目だけで決めないでください。

状態受診の目安と、診断後の手当ての例
治らない傷(高齢の猫)受診を考えたほうがよいサインの一つ
軽い床ずれと診断された場合傷んだ組織を取り除く処置や洗浄と、包帯で管理できることがある
重い床ずれと診断された場合手術や皮膚移植が必要になることがある

かかとの変化は床ずれと決められるか

かかとの変化が床ずれかどうかは、家では決められません。床ずれは、圧迫によって体の組織が死ぬこと(壊死)で生じる傷です。

かかとに変化を見つけたら、猫が長く同じ姿勢で過ごしているか、自力で動けるかも伝えて、獣医師に診てもらってください。

床ずれができやすくなる理由

床ずれは、体の同じ場所に長い時間圧がかかることで起こります。起こしやすくするものとして、次の状態が挙げられています。

  • 後ろ足の麻痺(対麻痺)
  • 前足と後ろ足の両方の麻痺(四肢麻痺)
  • 体に合っていない固定
  • 麻痺などで自力で動けない状態

固定が必要な場合は、獣医師の指示に従ってください。

床ずれとの関係は参照した資料に書かれていませんが、年をとると猫の皮膚そのものも変わります。高齢の猫では、皮膚が薄くなって弾力が落ち、血流が減って感染しやすくなるとされています。

かかとのほかにも、猫の寝姿を見て、気になる場所があれば獣医師に伝えてください。

寝床やトイレ、移動の場所など、介護が必要になってきた猫の家の中の見直し方は、老猫の介護|家の中で先に変える場所と毎日の世話で解説しています。

寝床と姿勢を見直すときの確認点

寝床や姿勢の見直しは、獣医師と相談しながら進めてください。確かめるのは、次の3点です。

  • 寝床の柔らかさ
  • 猫が自力で体の向きを変えられるか
  • 排せつの汚れが残っていないか

寝床を選ぶときに確かめること

予防策として挙げられている寝床の条件は、柔らかいことと、十分にクッションが入っていることです。あわせて、清潔さも確かめてください。

  • 柔らかい寝床か
  • 十分にクッション(パッド)が入っているか
  • 寝床とその周りが清潔か

十分な柔らかさや厚さの目安は、寝床を選ぶ前に獣医師に相談してください。猫の体の大きさや寝方も伝えてください。

自力で向きを変えられない猫の姿勢は獣医師に相談する

自力で体の向きを変えられない猫の姿勢は、獣医師に相談して決めてください。

動物病院で重い病気の動物を看護するときは、床ずれを防ぐために、動けない動物の体位を定期的に替えるとされています。右側を下にした姿勢と左側を下にした姿勢を替えるか、胸を下にした伏せの姿勢の形を変えて保つ方法です。

ここで挙げた方法は動物病院のスタッフが行うもので、家での方法や回数としてそのまま使うことはできません。

家では、猫が長い時間同じ側を下にして寝ていないかを見て、どのくらいの間隔で、どう動かすかを獣医師に確かめてください。体の向きを頻繁に変えることは、床ずれの予防策の一つにも挙げられています。

排せつの汚れがあるときに確認すること

動物病院での看護の説明では、尿や便による汚れはすぐに掃除するものとされています。動けない動物は尿で皮膚がただれやすいため、定期的に皮膚を点検して清潔にする必要があるとされています。体とその周りを清潔に保つことは、床ずれの予防策の一つです。

傷があるときは、その場所の拭き方や使ってよい薬も含めて、汚れの落とし方を動物病院に相談してください。

よくある質問

傷をなめているときはどうするか

傷をなめるのをどう防ぐかは、傷の状態に合わせて動物病院に相談してください。包帯には、汚れや感染を防ぐ、軽く圧迫する、動物が自らを傷つけるのを防ぐ、動きを抑えて痛みを和らげる、といった役割があるとされています。

治療や経過の見通しは獣医師に何を確認しますか

傷の程度と手当ての方法、家での予防の続け方を獣医師に確かめてください。

軽い床ずれは洗浄と包帯で管理できることがある一方、重い場合は手術や皮膚移植が必要になることがあります。傷は段階を追って治っていきますが、その進み方には環境、体全体の状態、薬が影響するとされています。

回復までの期間を含めた見通しは、診察を受けたうえで獣医師に確かめてください。

高齢の猫の皮膚は、どんな変化に気をつければよいですか

皮膚と毛づくろいの様子の変化に気をつけてください。年をとるにつれて、皮膚が薄くなって弾力が落ち、血流が減って感染しやすくなるとされています。毛づくろいが下手になり、毛が絡まったり、皮膚のにおいや炎症が出たりすることもあります。

行動や体の状態が変わったときは、年のせいと決めつけずに獣医師に連絡してください。

床ずれを防ぐうえで、食事や栄養は関係しますか

十分な栄養を与えることは、清潔を保つことなどとあわせて、床ずれの予防策の一つに挙げられています。貧血や栄養不良、一部の薬は、傷の治りを遅らせることがあります。

食事の量や内容を変えるときは、獣医師に相談してください。太りすぎの高齢の猫では、獣医師に食事の調整を頼むことが勧められています。

包帯をしている傷が汚れたり濡れたりしたときは、どうしますか

包帯が汚れたり濡れたりしたら、包帯をした動物病院に連絡し、自宅での交換について獣医師から受けた指示に従ってください。動物病院での看護の説明では、包帯は汚れや湿りが出たときに交換するとされています。

まとめ:皮膚の状態を見て受診を相談し、寝床と姿勢を見直す

まとめ
  • かかとなどの皮膚を見て、治らない傷や気になる変化があれば動物病院に相談する
  • 傷があるときは、家で手当てを始める前に動物病院へ相談し、床ずれの程度と手当てを獣医師に確かめる
  • 寝床の柔らかさとクッションを確かめ、寝床の汚れをこまめに掃除する
  • 自力で体の向きを変えられない猫は、向きの変え方と間隔を獣医師に相談する
  • 食事の量や内容を変えるときは、獣医師に相談する

判断に迷うときは、かかりつけの動物病院に相談してください。

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この記事を書いた人

保護して迎えた猫のこてつ1匹と暮らす飼い主です。実体験と公開資料を調べた内容を分けて書いています。獣医師ではなく、動物の医療・栄養に関する資格はありません。

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